疫神祓やくじんのはらひ

恐おそれみ畏かしこみも申もうてて申もうさく。高天原たかまがはらに神留座かみとどまりまして事始ことはじめ給たまひし神漏岐かみろぎ神漏美かみろみの命みことを以もって、八百萬やほよろづの神等かみたちを神集かみつどへに集つどへ給たまひ、神議かんはかりに議はかり給たまひて、荒振あらぶる神等かみたちを神攘かんはらひに祓はらひ給たまひ、神和かみにごに和にごみ給たまひ、國くにの内うちに座まします祟神たたりがみ疫神ゑみがみ流行神はやりがみ等たちは、荒あらひ猛たけひ給たまふ事無之ことなくして、高天原たかまがはらに始はじめ給たまひし事ことを神かみ乍ながらも所知食しろしめして和にごまり鎭しづまり在座ましますと廣前ひろまへに宇豆うづの御食みけ、宇豆うづの御酒みき、雜々くさぐさの多米都物たまつもの獻たてまつる此状このかたちを平たいらけく安やすらけく聞食きこしめし給たまひて、大元おほもとの御靈みたまに歸かへり混沌まろがれの始はじめを守まもり給たまひて、厄ゑやみの災わざわひを祓はらひ給たまひ退しりぞけ給たまひて、守まもり給たまひ幸さいはひ給たまへと恐おそれみ畏かしこみも申もうし玉たまはくと申まうす。